私にとって漫画って、一言で言うなら兵役免除、かな。
——久保さんは“自分を男にして描いている”のかもしれないですけど、読んでる男達にとっては痛いほどリアルです! なんでここまで女の久保さんと、恋愛にダメダメな男たちの気持ちがリンクするんでしょう?
久保 よく、「心に童貞を飼ってる」って言われます(笑)。私の人生を振り返ると、女性的な部分が少ないな、とは思うんですよ。最初から、『ジャンプ』やグラビアを見てたし、処女作はエロだったし。でも、同時に女だから女の気持ちもわかる。それは自分が女でよかったなって思う部分で。女心がわからないままやってかなきゃならない男子って可哀想だなって思いますね。
——そう、『モテキ』は登場する女子たちの〝女心〟もリアルです。彼女たちは優しいようで、時に残酷。それも読んでてキツいんですよ。っていうか、久保さんはモテない男性に対してどういう気持ちで描いてるんですか?
久保 う〜ん、優しくしてあげたい気持ちと、「嘘だよ!! 可愛い女とつきあえると思い込んでるお前らをギャフンといわせてーんだよ!」って気持ちの両方ですね。優しくグサッ!て感じで殺っちゃって「あ、いっけね〜★」って返り血浴びてる感じ…ですか。
——………。
久保 だって! かわいい女のコ描いてますけど、かわいい女のコが好きな男がムカつくんですよ! だから「フジ君は誰と結ばれるの?」なんて言われると、「誰とも幸せにしてたまるか!」って思ったりもして…。
——えぇ? 救いを下さいよ!
久保 一応、そのつもりですけどね。といっても、私やフジ君にとって、何が救われるのか? 自分でもわからないんで、漫画というフィルタを通して客観的に見ていこうと。…なんかカウンセリングみたいですけど。
——ちなみに、もし藤本が誰かと付き合いだしたら…どうなるんです?
久保 終わります。付き合った先なんか描きたくないですよ。ラブラブの世界を私がよく知らないのに! あとはみなさんの脳内で補完してください!
——いやー(笑)、久保さんの内面を垣間見れた気がします。では、そろそろ時間です。最後に…久保ミツロウにとって、“漫画”とはなんですか?
久保 なんすかその質問は!『情熱大陸』ですか?(笑)まぁ…一言で言うなら兵役免除、かな。
——兵役、ですか?
久保 女って化粧やオシャレをして、生き方をまっとうして“女というガダルカナル”に行くじゃないですか。「私は漫画描けるんで、戦場に行かなくていいですか?」的な。だから、漫画がなくなったら…。私は女としての自分と向き合いたくないんですよ。自分と向き合うには、漫画を通さないと。やっぱりカウンセリング…ですかね?